2018/9/18

フリーアドレス・オフィス成功のポイント

「働き方改革」にも効果あり! フリーアドレス・オフィス成功のポイント

注目のフリーアドレス・オフィス。企業の大きな経営課題である「働き方改革」や業務効率化の切り札とも言われていますが、一方で、働く人たち=ワーカーにとって、従来とは大きく異なるワークスタイルが求められるため、興味はあっても慎重になっている企業も多いようです。
フリーアドレスと聞くと、つい個性的でおしゃれなデザインのオフィス風景といった見た目のことばかりを思い浮かべがちですが、実際にどのようなオフィスなのか、どう利用されているのか、メリット、デメリットや導入する際のポイントなどをまとめました。

 

  1. 働き方改革や業務効率化に効果が期待できるのがフリーアドレスの最大のメリット。ワーカー同士のコミュニケーションの活発化に一役買うことも。

  2. 企業ごとの「特色」を表現しやすいのもフリーアドレスの魅力。導入の目的を明確にすることが大切。

  3. フリーアドレスの導入にあたっては、労務管理やマネジメント、設備など、トータルで「働き方改革」をする必要あり

 

フリーアドレスのオフィス例:三井不動産株式会社

 

■ 「働き方改革」にも効果あり、フリーアドレスが再び脚光を浴びているわけ

-フリーアドレスとはどのようなオフィスなのでしょうか。そして今なぜフリーアドレスが脚光を浴びているのでしょう?

フリーアドレスとは、自分専用の固定席がないオフィスです。一般的なオフィスは自分専用のデスクがありますが、フリーアドレスにはこの固定席がありません。フロアには一人用の机やオープンなワークデスク、大小ブースなど様々なスペースがあり、ワーカーはその時の気分や仕事内容に応じて場所を選びます。私物や資料は各ワーカー専用のロッカーに収納します。

脚光を浴びている理由の一つは「働き方改革」でしょう。仕事効率化や新規事業へのブレイクスルーを促すために会社が何をするべきか、この経営課題を解決する策として、フリーアドレスに興味を持たれる企業様が増えています。毎日同じ固定席で同じ顔ぶれで仕事をするのではなく、社内の様々な立場のワーカーが気軽にコミュニケーションを取り、自由なコミュニケーションの中から新しい仕事のシーズ(種)が産まれることが期待されていると感じます。

実は1990年代にも、コスト削減のために固定席より必要面積を抑えられるフリーアドレスを導入する動きがありました。一方、現在脚光を浴びている理由は「働き方改革」ですから、リフレッシュスペースや個性的な打合せブースなど、コミュニケーションを活発化するスペースを多く設置しますので、必要面積は一般的な固定型のオフィスと変わらなくなっているのが特徴です。

■ フリーアドレス導入のコンセプトが明確かどうかが、成功の秘訣

-フリーアドレスを導入している企業は、どのように利用しているのでしょうか。

実際に導入されている企業でも、全てのオフィスでフリーアドレスを採用しているというわけでもありません。企画や営業といった部門から段階的に導入する企業や、管理職や総務部門などは従来通り固定席のままという企業もあります。部門ごとに最適な働き方は異なりますから、固定席とフリーアドレスをミックスして柔軟なオフィスを作られるケースも多いですね。

フリーアドレスのオフィスは、一般的な固定席のオフィスよりもレイアウトやデザインでこだわりを表現しやすいため、そのメリットを活かして企業理念などを表現できるというメリットもあります。それぞれの企業の目的によって最適解は異なりますので、私どもは、オフィス什器メーカー様などと協力しながら、オフィスレイアウトやデザイン、フリーアドレスならではの“仕掛け”など、様々な事例のご紹介やご提案をさせていただいています。

 

-フリーアドレスを成功させるポイントがあれば、教えてください。

フリーアドレスを導入したイコール働き方が改革できた!というわけではないというのは、心に留めておいていただきたいポイントです。 実際にフリーアドレスを導入すると、ワーカーの方々の毎日は大きく変わります。しかし、せっかく働く場所の自由度は高まっても労務管理が旧態依然のままであれば、逆に非効率化を招く恐れもあります。少ないケースではありますが、フリーアドレスを導入した後、結果的に元の固定席に戻した企業もあります。

そうならないためにも、どんなオフィスにするかを考える前に、まずは、フリーアドレスを利用して「どのような働き方を実現したいか」を考えていただくことが大切です。フリーアドレス導入にあたっての検討事項、どの部門に導入するか、管理職の席は固定かフリーか、どのようなスペースがどの程度必要かなどの具体的な検討にあたっても、そもそもの導入目的やコンセプトが明確である方がより良い判断ができるでしょう。

 

フリーアドレスのオフィスイメージ

 

■ フリーアドレスを活かすための、労務管理・マネジメント・設備の改革も

-フリーアドレスの導入目的を達成するために、他に気を付けておきたいことはありますか。

フリーアドレス導入とともに、労務管理やワーカーのマネジメントといった制度の刷新や、設備の刷新などもあわせて考えていただくことをお勧めしています。

例えば、ワーカーの業務効率化が目的なのに、フレックス制度が導入されていなかったり、出退勤の確認や決裁書類の回覧、スケジュール確認など固定席でなくなることで生じる業務フローの変化に対応する施策を用意していなかったりしたら、せっかくフリーアドレスを導入しても、逆に日々の業務がさらに煩雑になるだけで効率化を実現することはできません。実は、現在のフリーアドレス・オフィスの流行を実現させている要因の一つには、IT環境やテクノロジーの発展によって、労務管理やスケジュール共有といった働き方を効率化する手段を導入しやすくなったという点もあげられます。スケジュールの共有システム、各種書類や決裁、勤怠管理のペーパーレス化、クラウド化、wi-fi環境整備など、フリーアドレスであることを活かしてさらなる効率化、業務のクリエイティビティ向上を図ることができる環境もご検討ください。

また、あわせて必要となってくるのはワーカーの意識改革です。最新のワークスペースや道具があっても、労務管理制度を改善しても、ワーカーの意識が旧態のままでは「働き方改革」もままならないのは当然です。ワーカーの皆様の意識を高めていただくためにも実際に働くワーカーの意見に耳を傾けることが大切です。

労務管理・マネジメント・設備の改革といっても、企業によってその内容は様々に異なりますし「正解」の方法もありません。三井不動産リアルティでは、数多くの企業移転についてのケースに熟知しておりますので、ぜひ私どものノウハウもご活用いただければと思います。

 

-最後に、フリーアドレス導入成功への道を、もう一度振り返っていただけますか。

まずは、企業が進むべき方向性を明確にすること。次に、労務管理・マネジメントにおいてフリーアドレスを活かす制度をどこまで導入できるかを検討することです。これらを整理するために、現状の会社の働き方について、良いところ、悪いところを書き出してみるのもよいと思います。そこまで整理ができてようやく、フリーアドレスを導入するかをご検討いただくのでも遅くはありません。

オフィス移転を“新しい働き方にチャレンジする”機会としていただき、ただの移転やレイアウト変更ではない「働き方改革」という重要な経営課題の解決策とするためにも、ぜひ、一度私どもにご相談ください。

 

三井不動産リアルティ株式会社 ソリューション事業本部リーシング営業部 浅野 雅司

三井不動産リアルティ株式会社 ソリューション事業本部リーシング営業部
浅野 雅司

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